リモート講話 恩田さんのお話
元FC岐阜の社長で、現在、株式会社まんまる笑店の社長を務めている恩田聖敬さんのお話を聞きました。
2年前、今の6年生が4年生の時、総合的な学習の時間に恩田さんを招いてお話を聞く予定でした。しかし、インフルエンザの流行や新型コロナウィルス感染症の拡大によって、ずっと実現できないままでした。6年生が卒業する前に、何とかお話を聞きたいと思い、Zoomでのリモート講話が実現しました。
恩田さんは、FC岐阜の社長に就任当時、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたそうです。恩田さんは、パワーポイントの画面に合成の音声を使って話します。4年生~6年生が、教室でお話を聞きました。
まず自己紹介。出身や仕事歴、子どもの頃の様子を話してくださいました。続いてALSについての説明。ALSは体中の運動神経が侵され、手や足がだんだん動かなくなり、のどや舌の筋力も衰えてだんだんしゃべれなくなるそうです。恩田さんはしゃべれなくても、自分の思いや気持ちは「口文字」や「iPad」で伝えます。実際に「口文字」の実演をしてくださいました。50音の行と列の組み合わせで音を選び、ヘルパーさんに伝えます。ヘルパーさんは恩田さんの伝えた音をまとめ、文章にして伝えてくださいます。恩田さんは「稲羽西小学校に行きたかった。コロナのバカ!」と言っています。そうです、恩田さんはとてもユーモアあふれる方なのです。
恩田さんは、東京オリンピックの岐阜県聖火ランナーにも選ばれました。岐阜県から日本を元気にしたいという気持ちを、iPadを使って動画を編集して発信した映像も見せてくださいました。
恩田さんは、ALSを発症しても会社を作った理由や人生を楽しく生きる方法についても語られました。
会社を作った理由を次のように語られました。1つめ、好きな仕事を病気のために辞めてしまうのはもったいない。2つめ、「できることをやる」のではなく、「やりたいことをできるようにする」人生を送りたい。3つめ、親として子どもにかっこいい姿を示したい。
楽しい人生を送る秘訣も教えてくださいました。1つめ、自分の意思を明確に示すこと。2つめ、「ありがとう」「ごめんなさい」をちゃんと言うこと。3つめ、あきらめないこと。三択の質問や、クレヨンしんちゃんの主題歌、自身が体験したサッカーの試合での出来事など例を挙げて話されます。どれも納得です。
最後に恩田さんは「わたしは『人生は自分を好きになるためにある』と思っています。」と語られました。今回の講話は、子どもたちにとって「生き方」や「幸せ」について考えるよい機会になったと思います。講話の後は、子どもたちからの質問です。
恩田さんは、子どもたちからの質問に、「口文字」を使って、一つ一つていねいに答えてくださいました。
コロナでも、あきらめずにできる方法を考えて今回の講話が実現できてよかったです。