子どもたちの知恵もなかなかです
連日猛暑が続きます。お盆前の3連休初日、花と野菜に散水するために学校を訪れると、たまたまコスモスに水をあげに来ていたコスモスボランティアの6年生二人に出会いました。南舎南の日なたに置いてあったコスモスは葉や茎が変色して危機的な状況でした。コスモスには酷暑すぎるのです。
コスモスボランティアの二人は、水をやり終えるとビオトープの方へ向かいました。すると突然、「あっ、コスモスが咲いています!」という声が聞こえました。
よく見ると、20㎝程のひょろひょろにやせ細ったコスモスがひび割れた地面から育ち、淡いピンクの花をつけていました。(上の画像参照)水分を吸収することは難しくても、高木の陰になることで酷暑から身を守りつつコスモスが育っていたのです。コスモスボランティアの二人は続けて言います。「やっぱり、暑すぎるのはダメなんだ。」「水分は少なくても、日陰にいるから生きられる。」日なたと日陰、水分の有無を比べながら子どもなりに考察して知恵を出し合っています。
と、その時です。「実は、実験的にビオトープの水の中にプランターを入れてあるんです。」一人の子どもが言いました。
ビオトープの浅瀬には、プランターが2つ並べて置いてありました。立派に青々とまるまるとして育ったコスモスがそこにありました。「こうすれば、水を毎日やらなくてもすむし、大きく成長するのでは?」「南舎の南のコスモスももってこよう!」二人は意気投合して残りのプランターをビオトープの浅瀬に並べました。
時として、子どもの豊かな発想やアイデアに驚かされることがあります。「毎日水をやりに来ることはたいへん。」「でもコスモスは立派に育てて花をいっぱい咲かせたい。」この矛盾する難問を二人の知恵が解き明かしたのです。これからの21世紀を生き抜く子どもたちに、今求められているのはまさにこういう力なのです!
教えられたり言われたことを行うだけではなく、これまでの経験や学習から今の状況を考えた時に、「どうすればいいのか?」判断して行動する力…稲西っ子にも確実に定着してきていると感じました。