性のあり方、自分らしさを考える ~ひびきあい活動~

 

22日に、一般社団法人ELLYの代表理事 山口颯一様にお越しいただき、人権について考える「ひびきあい活動」を実施しました。後期生徒会執行部のメンバーが進めました。人権課題には、性自認や性的指向があります。性について考える中で、誰もが過ごしやすい環境をつくるためにはどうするとよいかを考えました。

 

生徒もよく知るアニメのキャラクターの性別は?という質問に、生徒たちも改めて「どっち?」知っていることを手掛かりに、仲間とも相談しながら考えました。「男の子?」「女の子?」の次には、「わからない」の選択肢も。日本では性別というと男性か女性かの2つしかありませんが、アメリカのSNSの登録画面では58種類もあると聞いて、生徒たちはびっくりしていました。

また、写真を見て、その人の性別、性的指向を考えましたが、見た目ではわからないことを実感していました。山口さん自身の生き方も紹介していただきました。好きなものを避けて、死も考えるような状況を救ってくれた、「山口は山口だから」という仲間の言葉。自分の個性を強みにして、今は明るく自信にあふれる山口さんのお話に、生徒たちは聞き入っていました。

 

LGBTという言葉は、ここ最近よく聞かれるようになりましたが、改めてその意味や表すことを説明していただきました。約11人に1人がLGBTと聞くと、生徒たちは大変驚いていました。左利きやAB型の人の割合とほぼ同じだそうです。身近なところにもこうした人たちがいることを改めて実感していました。

また、「SOGI」という言葉も教えていただきました。性自認と性的指向の頭文字をとったもので、人によってさまざまで、人の数だけ性のあり方があると山口さんはおっしゃっていました。自分と違う性自認や性的指向の人は、当たり前に存在すること、そのことで悩む人もいれば悩まない人もいること、もしこうしたことで相談を受けたら、否定せずにできることがあれば支えになれるとよいと伝えていらっしゃいました。

改めて、自分の好きなものを選んでみると、それぞれで自分と仲間とで違うことも実感していました。6色のLGBT象徴カラーがあり、さまざまな企業が商品を作っています。それらを身に付けることで、「LGBTに対して自分は肯定的である」と周囲に伝えることができることも教えていただきました。

LGBTについてだけでなく、山口さんの生き方からも、多くのことを感じ取っていました。生徒の感想の一部を紹介します。

・山口さんの話を聞いて、ニュースとかでネットでこんな人がいるということは知っていたけれど、、「自分のまわりには関係ない」とか見た目で判断してしまっているなと感じた。まだまだ性に関して変な思い込みだけだったり、少し人と違う考えなだけで差別したりする人は多いかもしれないけれど、山口さんが言っていた「人は完璧じゃない」って本当にその通りだと思うし、山口さんは「弱みを強みに」ということも言っていて、自分が弱いなって思っていることも強さにできるかもしれないから、そういうことを大切にして生活していきたいなと思いました。

・レズビアンやゲイ、バイセクシャルなど聞いたことはあったけれど、トランスジェンダーの方のお話を直接聞くことはなかったので、性についてもっとよく知れたんじゃないかなと思います。同性愛者やトランスジェンダーといっても、一人一人好きなものは違うし、ひとくくりにはできないと思いました。LGBTを理解することも大切だと思いますが、私は受け入れるまわりの環境が大事だと思いました。自分の性自認が自分の体と違っても、それをその人だと受け入れて接することが当たり前になるべきだと思います。

・私はもし仲間が悩んでいたら、その人と「らしさ」を認めてあげたいです。それが普通じゃないとか普通であるとか、それでもし自分を苦しめているとしたら、それは自分で型を作ってその型じゃいけないみたいな、自分で自分を苦しめていることになると思うし、自分で自分のことを認めてあげないと苦しいままだから、もし、周りの仲間が困っていたり苦しい思いをしていたら、「あなたにはあなたらしさがあるよ」「自分を見失わないで」とそっと声をかけてあげたいです。

・固定概念や思い込みで人を傷つけてしまうことはあると思います。今まで人に何気なく話したことで相手がいやな思いをしていないかと考えました。広く視野をもって、相手がどう考えるか、違うとらえ方もあるんじゃないかとできるだけ考えていきたいです。また、「自分の個性を強みに変える」というのは、簡単にはできないと思います。悩んで悩んで考えて、自分が胸をはって自分だと思えるようになった時、自分の個性を強みに変えることができます。困っている仲間や悩みを抱えた仲間がそばにいたとき、気づいてあげて、否定から入らず力になれることがあれば支えてあげたいと思いました。

・今後、学校生活の中で、周りの人をよく見たりしていきたいです。なぜかというと、この人体調悪そうだなと気づくことがとても苦手だからです。困っている仲間や悩みを抱えた仲間がそばにいたら、「大丈夫?」や「何かあったの?」などと聞きたいです。でも困っている話をしてくれるのはごく一部の人なので、僕が目指すことは、「この人になら言っても大丈夫だな」や「この人は信頼できるし、言っても大丈夫」などと思われるようにやさしくいろいろな人とコミュニケーションをとっていきたいです。

・人の数だけ個性があり、それをそれぞれが尊重し合って安心できる環境をつくることが大切だと思いました。そのために、「人を見た目で判断しない」こと、「個々を尊重する」ことを大切にしたいです。そして、自分の将来や部活、持ち物などを決める時に、性別できめるのではなく、「本当に自分の好きなこと・もの」を選んでいきたいです。そんな考えの人が増えたら、世の中もっとみんなが楽しく安心して生きていくことができるなと感じました。このことを親や知り合いに話し、広め、みんなが「個性」を「長所」につなげられるようにして、自分のこの個性で生きていきます。

それぞれが感じたこと、考えたことをこれからの生活に活かして、お互いに安心して生活できるようにしたいです。

 

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