共生社会をめざして ~ひびきあい集会事前講話~

 

毎年、人権について考える「ひびきあい学習」をこの時期に行っています。今年度は外国人の方の人権をテーマに学習しています。昨日と来週、それぞれ講師の方に全校生徒向けに講話を行っていただき、生徒たちが共に生きていくために大切なことを考え、実践していこうと考えるきっかけにしたいと考えています。

昨日は、名古屋出入国在留管理局 在留支援部門から、金田様、大竹様にお越しいただき、講話をしていただきました。

出入国在留管理局(入管)は5つの業務をされており、出入国管理、在留管理、在留支援、難民認定、退去強制があります。パスポートのチェックや在留カードの発行も業務の一つです。生徒にとってもなじみのあまりない仕事の内容や日本に住む外国人の状況などを、クイズ形式で考えながら学んでいきました。

昨年度の状況では、日本に約376万人の外国人が住んでいて、日本に住む外国人は年々増加しており、この10年で約1.7倍になっているそうです。この状況は岐阜県も同様です。また、日本に住む外国人の方の国籍は多様化しています。

そんな中で調査をされたところ、日本に住む外国人の約57%が孤独であると感じることがあるという結果だったそうです。互いに言葉がわからずコミュニケーションが十分にとれなかったり、ルールや文化の違いがわからなかったり受け入れられなかったりして差別されたりするケースもあるようです。そうした現状を改善して、共生社会をめざすために、安全・安心な社会、多様性に富んだ活力ある社会、個人の尊厳と人権を尊重した社会を創っていくことを願って取り組まれています。生活・就労ガイドブックを作成して情報発信をしたり、外国人の相談にのったり、さまざまな手続きや生活に役立つ情報などを発信したり、「やさしい日本語」を広めたりと、地道な取り組みをされていることを教えていただきました。

特に、日本に住んでいる外国人の方々の8割以上が簡単な日本語を話すことができるため、そうした方々にとっては「やさしい日本語」が重要なコミュニケーションの手段になります。外国の方にもわかりやすい日本語を使うことは、日本人にとってもわかりやすいということです。伝えたい情報を取捨選択して整理すること、反応を見て臨機応変に対応することが大切です。特に伝えるときには、短くはっきりと言い切ること、一文を短くすること、簡単な言葉に言い換えること、時にはジェスチャーや写真、図などを使うとよいそうです。

ポイントを教えてもらい、実際に考えてみました。例えば、「現在、電車は運転を見合わせています」であれば、「今、電車は止まっています」などです。近くの仲間と相談しながら、どうすれば相手に伝わりやすくなるか、相手が理解しやすいかを考えていました。

講話後には、質問をしたり感想を伝えたりしました。

 

感想の一部を紹介します。

・相手の気持ちや立場を考えて、行動したいし、外国の方と話すときには笑顔でゆっくり言うようにしたいです。

・やさしい日本語を使えば、英語を使わずに外国の人とも話せる気がしました。

・学校全体でも外国からきている人がいます。押し付けるのではなく、一緒に生活することを大切にしたいです。

最後に代表生徒からお礼の言葉を述べました。

お互いの文化や立場などを尊重し合って接することや、お互いのことを知ろうと思って接すること、思いやりをもって接することが、共生社会を築くうえで大切なことを今回の講話から学ぶことができました。

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