睡眠について考える ~1年生「睡眠教育」~
現代社会は、生活リズムの乱れやスマートフォン等の長時間使用によって睡眠不足や睡眠の質の低下が問題となっています。これは、中学生も同じで、本校でもこうした課題があります。そこで、1年生の生徒たちを対象に、山梨大学医学部附属病院の小児科の亀井 雄一先生とZoomをつないで講話をしていただきました。

お話の前に昨夜の睡眠時間を聞いたところ、6時間~8時間くらいの生徒が多くいました。
亀井先生からは、「どうして毎日眠らなければならないと思うか?」と生徒に質問されました。「集中できないから」「何もできないから」といった答えが生徒から出てきました。様々な動物の睡眠時間についても質問がありました。トラ、シマウマ、イルカ。マグロについて考えました。15時間も眠るトラのような動物もいれば、数秒しか眠らないマグロのような動物もいますが、どんな動物も眠ることが必要だと教えていただきました。眠っている間に、いろいろなことが体の中でおきています。①疲れやストレスから回復する、②成長ホルモンが出る、③記憶したり記憶を整理したりする、④抵抗力(免疫力)を高める、⑤精神面の安定 と睡眠にはいろいろや役割があると教えていただきました。

適切な睡眠時間は、アメリカの大学の研究では、6歳~13歳では9~11時間、14歳~17歳では8~10時間と言われているそうです。寝付く時間を生徒に質問されました。夜8時~10時の間がおよそ4割、10時~12時が半分強、中には12時過ぎという生徒もいました。睡眠時刻が遅くなる理由には、やはり携帯や動画を見ていたり、塾や習い事、勉強をしていたりといったものがあるようです。

亀山先生は「睡眠不足は病気」とはっきりとおっしゃいました。昼寝をしても睡眠不足は解消されないともおっしゃいました。自然界にもいろいろなリズムがあるように、人にもいろいろなリズムがあります。眠くなるタイミングを出しているのが体内時計ですが、この体内時計が乱れると時差ボケになるそうです。そうなると、変な時間に眠たくなったり、疲れやすくなったり、元気がなくなったりします。土日に寝たいだけ寝ていることでも体内時計が乱れるそうです。そうなると、月曜日から時差ボケのような状態になり、週の半ばくらいまで不調が続くこともあるとのことでした。
体内時計を乱さないために大切なことは、朝決まった時刻に起きる(休みの日も)、起きたら光を浴びる、朝ご飯を食べる、日中体を動かす、夜あまり明るすぎる環境を避ける、そして寝る2時間前からはテレビやパソコン、スマホを避けることだと教えていただきました。

質疑応答では、生徒の実際の眠りに関する困りごとに答えていただきました。

改めて、普段の生活リズムを整えて、しっかりと睡眠をとることが、成長期の生徒たちにはとても大切なことを実感したようです。ぜひ、心も体も健康で充実した生活を送るためにも、普段の生活を見直して改善してほしいです。