多様な文化を受け入れ 共に生きる ~ひびきあい集会~
12日に、人権について考える「ひびきあい集会」を行いました。今年度は、海外にルーツのある方々との共生について考えることをテーマにしています。3日の事前学習に続いて、今回は各務原市の出前講座を利用し、国際交流員の田中 チアゴ様、井戸 伽詩子様を講師としてお迎えし、それぞれの母国から日本にいらした中で体験されたこと、感じられていることをお聞きし、生徒たち自身が今後どんなことを大切にしていきたいかを考える機会としました。

田中様からは、ブラジルの簡単な紹介とご自身の日本との関わりについて、話していただきました。幼い頃に日本に来て、小学校では初めての「外国人」。すぐに友達もできて、楽しく過ごされたそうです。一度ブラジルに帰国されたのですが、再度来日され、2010年から各務原市役所で働いていらっしゃいます。田中様からは、外国の方と仲良くなるために、言語、文化、ルール、個性の4つの視点を大切にして、互いに歩み寄って、認め合うことが必要だと教えていただきました。
井戸様からは、ベトナムの紹介や来日した経緯、日本に来て困ったことを話していただきました。特に職場で差別を受け、つらい思いをされたことを話していただきました。説明や情報がなくて困っていても助けてくれる人もいない、相談すると悪口を言われたそうです。ずっと「わかってほしい」と思ってきたことや、そのために言葉を勉強したことも明かされました。みんなが認めてくれるよう、自分が頑張るしかないと思ってこられたともおっしゃってみえました。

質疑応答では、なぜ日本に来ようと思ったのか、どのような日本の文化が好きか、などの質問がありました。

お礼の言葉では、代表生徒が次のように述べました。
「思っていたよりも違いがあって、びっくりしました。外国の言語や文化、ルール、個性を意識して接すれば仲良くなれるとわかりました。差別され、ひどいことを言われたこともお聞きしましたが、それはよくないことだし、悲しい気持ちになります。先の4つのことを意識して、相手の気持ちを考えて接していきたいです。」
集会後には、それぞれ感じたことや学んだことを振り返り、学級で交流することをとおして、さらに学びを深めようと取り組みました。
生徒たちが社会に出る頃には、今より海外にルーツをもつ方が地域や職場に多くいることが予想されます。自分と異なるからといって、「攻撃」したり「差別」したりするのではなく、互いに理解し合い、尊重し合うことが、共生社会を創っていくうえで欠かせません。今回の学習で学んだことや感じたことを折に触れ思い出しながら、よりよい社会をつくっていく一人としてどうすべきかを考えていってほしいと願っています。