「遠藤さんから学ぶ会」 ~1年生総合的な学習の時間~

 

1年生の生徒が、東日本大震災で被災された、元宮城県南三陸町の副町長の遠藤 健治様からお話を聞く会を、本日実施しました。先週、学年の職員の話をもとにした事前学習を行い、本日の会を迎えました。遠藤さんとはZoomを接続して、お話をお聞きしました。

代表生徒の挨拶から始まりました。

遠藤さんからは、それまで繰り返し地震が発生していたために取り組んできた防災訓練のことや、次に地震が発生した場合に想定されていた津波の高さ、実際の津波の高さ、その後の被害の様子など、あらかじめ送ってあった生徒の質問に対する答えも交えながら、たくさんの資料を使って説明していただきました。

「私たちの暮らしがいっぱいあったところが、地震の翌日、明るくなってきて見えたのは、一面がれきだらけの様子で、まちが消えた。言葉が出ない、やりようのない怒りやくやしさでいっぱいだった。」

「自分の命は自分で守れるよう自主防災訓練をしたり、ハザードマップも作成したりしていたが、今から思うと、もっとやっておけばよかった。自分の命を自分で守ることを伝えきれなかった。」

「今は新しいまちづくりを行っている。『エコタウン』なまちづくりで、環境に配慮して、『生き残れるまちづくり』を考えながら進めている。人口も減って小さくなったまちの生き残りをどうかけていくか、今あるもの、南三陸ブランドを生かしてどうまちづくりをすすめていくかを考えながら進めている。地域の中にあるもので地域の中で循環させていくことが、災害に強いまちづくりにつながる」

「震災を経験して気づいたことの一つ目は、自然災害を正しく恐れること、自分の生活の中で防災をしっかりと、自分事としてかんがえていくことが大切。2つめは、人のやさしさや思いやりの大切さ。3つ目は、くじけない、あきらめないこと、前をむいて頑張れば、必ず明るい未来があること」

遠藤さんの経験に基づく言葉は、どれも力強く、聴いている生徒たちの心にも響いている様子でした。

代表の2名の生徒から、質問もしました。

「どんな思いで現場で指揮をされていたのか」の問いには、「あの日、あの時36名の一緒に仕事をしていた仲間を一瞬に失った。被災直後の初動体制をつくるときは、本当にしんどかった。でも犠牲になった方の悔しさに比べたら、と思って、生かされたものの使命だと思って頑張った」

「なぜ震災の話を語るようになられたのか」の問いには、「多くの尊い生命が失われた。12年たってもその悲しみは癒えることはない。深い絶望と悲しみを味わってきた。でも、全国や世界中からさまざまな支援を受けた。災害はいつ、どこで起きるかわからない。日頃からの準備が大切だということを、今を生きている人たちに伝えたい思いで取り組んでいる」

代表生徒は、「いつ起こるかわからない自然災害、最悪を想定して準備しておくことが大切だと感じました。小学校6年生の時にも遠藤さんのお話を聞いたり、今年の夏にも別の被災されてお子さんを亡くされた方の話を聞いて、恐ろしさを思い知らされました。自分にできることは何かを考えて、自ら動くことをどんなときにも大切にしたいと思っています。自分の命を大切にしながら、周りの人を助けられるように考えていきたいと思います」と感想を述べていました。

少し難しい内容もありましたが、しかし、経験されたからこそ語っていただけた思いは、確実に生徒たちに届いたと思っています。

この学びを、これからの学校生活や自分たちの生活に活かしていけるようにしていきたいです。